ヴェゼルの4WDは最先端技術のカタマリ

最新の電子制御が4WDの力を最大限に引き出す

ヴェゼルの4WDを開設する前に、その前まで主流だった「デュアルポンプ式」と呼ばれる方式を説明しなければなりません。

 

デュアルポンプ式4WDの初登場は1993年で、それまでの4WDと違い、クラッチの圧着力を利用する点がユニーク。前輪がスリップするとフロントポンプの吐出量が増え、油圧が発生してクラッチの圧着が発生するしくみです。そのためFFに比べて悪路などの走行性能がアップする特徴がありました。

 

しかし、物理的なシステムのため、前輪にすべりが発生してからでないと圧着が発生しないという欠点もありました。なので4WDとはいっても実質的にはFFがFRに変わる程度のもので、期待したほどの悪路走破性は発揮できていなかったという面もあります。

 

ヴェゼルでは電子制御の4WDを採用

 

そこで登場するのがヴェゼルの電子制御4WDの「リアルタイムAWDシステム」です。他メーカーにも電子制御式4WDはありますが、基本的には電磁石でトルク制御をするというもの。しかしホンダの電子制御は一味違い、あくまで油圧制御にこだわっています。CR-Vに初めて採用され、ヴェゼルの4WDモデルにも搭載されています。

 

基本的なしくみはデュアルポンプ式と同じですが、油圧の制御は電動ポンプに変更。油圧の循環回路を電子制御にまかせており、制御用のバルブでオイルの循環量を調整して、油圧を制御してクラッチを圧着するシステムとなっています。

 

電動ポンプはアクセルペダルの操作と同時に制御を開始するため、すばやく後輪へのトルク伝達が可能。従来の4WDで問題だった引きずり抵抗なども発生せず、通常の路面を走行中は2WDで走行して燃費を稼ぐこともできます。

 

また、センサー類で勾配やアクセルの踏込量も検知しており、あらかじめタイヤの滑り量を予測できるため事前にトルク制御することも可能です。従来の物理的な制御によるタイムラグがないため、より効率のよいトルク制御が可能となっています。

 

通常の路面で燃費性能をできるだけ向上させつつ、雪道や悪路などで4WDの走行性能を存分に発揮できるのが、ヴェゼルの電子制御式4WDなのです。